国土交通省中国運輸局が28日、島根県本土地区のタクシー運賃の値上げを公示した。普通車の初乗り運賃(1・5キロ換算)の上限が現在の740円から810円に引き上げられる。新料金は3月29日に適用する。燃料費の高騰をはじめ、運転手の待遇改善が求められる状況を背景に、事業者が値上げを要請していた。改定は2020年以来4年ぶり。
タクシー運賃は、国交省が全国101地区ごとに需給状況や事業者の収益状況などに基づき上限、下限額を定め、事業者はその範囲内で決める。
普通車の初乗り運賃の上限は現行の740円から810円に、下限は690円から760円に上がる。距離に応じた加算運賃は、261メートル走るごとに90円加算していたのを、100円加算に改定した。
島根県本土地区で営業する全77事業者(保有車両895台)のうち、44事業者(同741台)が23年8月に値上げを要請し、審査手続きに必要な車両基準などを上回ったため、中国運輸局が審査をしていた。
島根県内では、隠岐地区の事業者が23年12月に13%程度の値上げを求めて中国運輸局に申請。今年3月下旬までに審査実施の可否が決まる。
中国5県では広島、岡山両県内の計3地区が23年6月、山口地区が同8月に運賃を引き上げ、鳥取地区も同12月に約16%値上げ改定した。
(新藤正春)