第六章 来去来(六十七)

 すらりと言い放ち、佐次郎は高(こう)麗(らい)橋(ばし)を後にした。父は番頭らに引き止められて、こってりと油を搾られたようだ。龍仙堂は寅蔵が大坂に帰ってきて...