発達障害がある荒木てるみさん(63)=出雲市西郷町=が、発達障害を公言する落語家の柳家花緑(かろく)さん(52)を動かした。昨年、出雲市を訪れた花緑さんと仲良くなり、花緑さんを招いた落語とトークイベントの実現にこぎつけた。荒木さんは「発達障害で悩む人や、その家族が元気になってほしい」と来場を呼びかける。
花緑さんは祖父で人間国宝の柳家小さんに入門し、22歳で戦後最年少の真打昇進を果たした。2017年に学習障害(LD)と、注意欠陥多動性障害(ADHD)を公表し、啓発活動に取り組んでいる。
荒木さんが花緑さんと知り合ったのは昨夏。出雲市内であった落語会に花緑さんが出演したのがきっかけだった。落語会にスタッフとして携わった荒木さんは、幼い頃、読み書きが苦手で自信が持てなかった。自分と同じ発達障害がある花緑さんに親近感を覚えた。
落語会の合間を見つけ、花緑さんに「私も発達障害なんです」と打ち明けたところ、「一緒ですね」と話が弾んだ。荒木さんは花緑さんの気さくな人柄に一気に引き込まれた。
活躍する花緑さんの存在を知ってもらえば、発達障害がある人たちの不安や悩みを少しでも解消できるのではないかと考えた。「出雲で発達障害の啓発イベントを開きませんか」と持ちかけると、花緑さんは「ぜひとも」と二つ返事だったという。
イベントは7日午後2時、出雲市平田町の平田文化館で開く。花緑さんの落語のほか、トークでは荒木さんも登壇する。民間団体「tell me 出雲元気魂プロジェクト」が主催。大人2500円(当日3千円)、高校生以下千円。問い合わせは荒木さん、電話090(4691)8196。
(黒沢悠太)