「あのときに助けてもらったのが仕事の原点になっています」。浜田海上保安部の中野るい航海士補(22)は2月下旬、巡視船に乗り、能登半島地震の被災地で給水支援に当たった。出身地の熊本で8年前に起きた大地震で、同じく海上保安官から支援を受けたのが海の道に進んだ動機だった。「あの時を思い出しながらサポートに尽くせた」と振り返る。
熊本市南区出身の中野さんは中学3年生だった2016年、最大震度7を観測した熊本地震で被災した。自宅の家具が倒れるなどし、1週間ほど避難所生活を余儀なくされた。

自宅に戻った後も断水状態が続いた。そんな時、熊本港で海上保安部から給水支援を受けられると聞き、母と向かった。つらい生活が続く中...