一定の専門性や技能を有する「特定技能」の在留資格で境港市内で働く外国人によるパネルディスカッションがこのほど、同市内であった。アジア地域出身で水産会社などで働く女性3人が、日々の仕事や暮らしについて語り、市内外の企業関係者ら約40人が地域産業を支える外国人材への理解を深めた。
介護現場で働くフィリピン人のメンドーザ・シャルメイン・マソングソングさん(24)は、境港市の印象を「周囲の人々は優しい」としながら、「(母国と違い)夜の静けさには驚いた」と話した。
いずれも市内の水産加工会社で、カニの加工やパック詰めなどに従事するカンボジア人のポン・ソクンティアさん(29)は「母国の食材や調味料などが入手しずらい」とし、技能実習生として他県で働いたことがあるマイ・ティ・トゥイさん(34)=ベトナム出身=は「近くに遊ぶところが少ない」と率直な思いを述べた。
境港市が主催し、技能実習生がテーマの映画「縁の下のイミグレ」も上映した。同市の人口(2月末現在)は3万2820人で、このうち587人がベトナム出身者ら外国人。117人が「特定技能」、255人が人材育成による国際貢献を目的にした「技能実習生」の資格で働いている。(松本稔史)