稚アユを江の川に放流する参加者=島根県美郷町都賀西
稚アユを江の川に放流する参加者=島根県美郷町都賀西

 島根県美郷町都賀西の江の川で21日、稚アユの放流体験があり、町内の子どもたちが成長を願いながら、約4千匹を放した。

 都賀地域はアユの伝統漁法「簗漁(やなりょう)」を続ける。簗漁は傾斜を付けた簗と呼ばれる仕掛けで川の流れをせき止め、落ちアユを打ち上げて捕る漁法。

 都賀地域では担い手の高齢化で2016年以降、休止されていたが、住民有志でつくる大和伝統漁業簗保存組合(栗原進組合長)が20年に復活させた。

 稚アユの放流は川に親しんでもらおうと、同組合が企画した。地元の中学生や小学生、保育園児、保護者計29人が参加した。

 子どもたちは「大きくなって」「バイバイ」と声をかけながら、バケツに入った体長6、7センチの稚アユをゆっくりと川の流れに放した。家族3人で参加した大和小学校2年、黒田蒼太(そうた)君(7)は「稚アユを触ったらヌルヌルしてた。大きく育ってほしい」と話した。

 簗漁の漁期は8月1日~10月14日。同組合は9~10月の毎週日曜に簗漁を体験できる観光簗漁を行う。(佐伯学)