マリア像を担いで乙女峠に向かう高校生たち＝島根県津和野町後田
幕末から明治初期にかけて政府のキリスト教弾圧で長崎県浦上地区から島根県津和野町に流され、亡くなった３７人を追悼する「乙女峠まつり」が３日、同町であった。中国地方を中心に、全国から集まった信者たち約千人が聖母マリア像を担いだ行列に参列し、祈りをささげた。
乙女峠まつりは、「浦上四番崩れ」と呼ばれる弾圧で津和野町に流されたキリスト教徒１５３人のうち、乙女峠で改宗を迫られ、拷問を受け死亡した殉教者を悼むため、津和野カトリック教会（津和野町後田）が１９５２年から続けている。
信者たちは乙女峠から約２キロ離れた同教会に参集。白いベールとドレスに身を包み、マリア像を担いだ山口県内の女子高校生８人とともに歩みを進め、乙女峠にあるマリア聖堂横の広場（津和野町後田）に到着。広場で野外ミサが営まれた。
マリア像を担いだ山口県萩市の高校３年生三輪采音さん（１７）は「信念を曲げなかった殉教者の思いを感じながら歩いた。経験できてよかった」と話した。
殉教者についてはカトリック広島司教区（広島市）がローマ法王庁からの許可を得て、カトリックの崇敬対象である「福者」に認定されるよう調査を行っている。
（中山竜一）
