疾走する馬上から的に向かって弓を射る「流鏑馬(やぶさめ)神事」が7日、島根県津和野町鷲原(わしばら)の鷲原八幡宮であった。春の陽気に包まれ桜が舞い散る中、射手の勇壮な姿に約1万人の見物客が見入った。
鎌倉時代に始まったとされる神事は、天下泰平や五穀豊穣(ほうじょう)、疫病退散を祈願する。一時は途絶えたが、1976年から弓馬術礼法小笠原流宗家の協力を得て「津和野流鏑馬保存会」が続けている。
全長約250メートルの馬場で、射手15人が三つの的を狙って駆け、的中させると観客から歓声が上がった。
山口市から訪れた小学4年の森野伊織さん(9)は「あんなに速いのに的中させていてすごい。音も迫力があった」と話した。
(藤本ちあき)