【隠岐の島】島根県隠岐の島町下西の玉若酢命神社で5日、島後三大祭りの一つで、県指定無形民俗文化財「御霊会風流(ごれえふりゅう)」が営まれた。計8地区の神馬が町中心部を練り歩き、祭りの最高潮となる馬入れ神事では、神馬たちが拝殿を目指して全力疾走し、観客を沸かせた。
祭りは隠岐諸島にある神霊を総社に集めて御霊会を催すのが由来で、かつて島前も含めた48地区の神々が集まったとされる。5日は東郷、飯田、大久、加茂、有木、原田、西郷、下西の各地区から神馬が町中を歩き、時折、店先に入って運気を高め、日本酒やスイカを振る舞われた。
午後2時半ごろに始まった境内への馬入れでは、1頭ずつ神馬が鳥居をくぐると、拝殿までの約100メートルを全力疾走した。後ろ脚を大きく跳ね上げた神馬を、馬付きたちが必死の形相で制し、約1千人の観客を沸かせた。
馬入れの後も、近くの国道に場所を移して流鏑馬(やぶさめ)や競い馬で沿道の観衆を楽しませた。
近くの西郷小6年、牧野菜愛子(ななこ)さん(12)は「前日、神社に立ったのぼり旗を見たときからわくわくした。神馬はかっこ良かった」と喜んだ。
(鎌田剛)