大井谷の棚田で苗を植える児童=島根県吉賀町白谷
大井谷の棚田で苗を植える児童=島根県吉賀町白谷

 日本の棚田百選「大井谷の棚田」(島根県吉賀町白谷)で21日、地元の柿木小学校(同町柿木)の児童12人が田植えをした。泥にまみれながら手作業で苗を植え、秋の実りを心待ちにした。

 大井谷の棚田は、室町時代から江戸時代にかけて築かれ、全体で8・2ヘクタール(耕作面積6ヘクタール)で639枚ある。1999年に、希望者が年3回の農作業に参加する「棚田オーナー制度」を始め、地元の農家などでつくる「助(たすけ)はんどうの会」が維持管理をになっている。

 制度開始当初から契約する柿木小は毎年、田植えや草取り、稲刈りを体験している。この日は5、6年生が、同会の村上一郎事務局長(65)に教わりながら、1人5本ほどの苗を線に沿って植えたり、田んぼの中の生き物に触れたりして初夏の一時を楽しんだ。

 5年生の吉本結菜さん(10)は「まっすぐ植えるのが難しかったけど、楽しかった。大きく育ってほしい」と話した。

 (藤本ちあき)