島根県邑南町宇都井のゲストハウス「うづい通信部」で22日、落語の寄席があった。広島演芸協会の鯨韻亭(げいいんてい)馬笑九(ばしょく)さん(64)=広島市=が軽快な語り口の落語を披露した。
島根県内に伝わる民話が由来とされる「みそ豆」で幕開け。店の旦那と奉公人が、みそを仕込むために煮た大豆を互いに隠れてつまみ食いする話で、馬笑九さんは口調と表情で役柄を使い分け、厳格な旦那とひょうきんな奉公人を熱演した。
このほか、生まれた子どもに長い名前を付けてしまう「寿(じゅ)限(げ)無(む)」や、囲碁の勝敗を巡ってけんかする「笠碁(かさご)」を披露した。
近くに住む農業、松島弘文さん(79)は「何回も笑った」と満足げに話した。
同通信部が以前診療所だったことにちなみ、笑いを通して住民に心身ともに健康になってもらおうと、店主の井上英司さん(63)が企画した。(吉野仁士)