松江市白潟本町、スティックビルでこのほど、八雲会の総会が開かれ、山口大学国際総合科学部の藤原まみ准教授(58)=比較文学=が講演した。
藤原准教授は米国の作家ジャック・ロンドンと小泉八雲の作品の比較などを通じ、八雲の研究に取り組んでいる。
八雲の作品における「群れ」について注目し、日本の民間信仰と西洋人との関わりを描いた作品「人形の墓」を紹介。語り手として登場する「イネ」は自分の体験だけではなく他の共同体としての体験も語っていて、イネは個人ではなく共同体でもあると指摘した。
八雲が異邦人として外国から深く日本に潜り込み、物語における群像の描写を芸術的に昇華していると評価した。
講演を聴いた小泉八雲のひ孫・小泉凡さん(63)は「八雲の物語の広がりを再認識できた」と感心していた。八雲会会員など約40人が聴いた。(林李奈)