過去に奉納された神事花の写真を眺める地域住民=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館
過去に奉納された神事花の写真を眺める地域住民=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館

 毎年10月に地元の神社に神事花を奉納する田儀花馬保存会(山下洋介会長、約80人)の結成50周年を記念した写真展が11日、出雲市多伎町口田儀の多伎文化伝習館で始まり、歴史を感じさせる450点が来場者を楽しませている。入場無料、15日まで。

 神事花は田儀地区の住民が毎年10月19日、多伎藝(たきき)神社に五穀豊穣を願って奉納する。「花馬(はなんば)」と呼ばれ、直径約6メートル。江戸期に由来し、1960年代に一時、後継者不足で途絶えたが、72年に保存会が発足して復活させた。当初、50周年記念行事は2022年に予定していたが、コロナ禍のため、今年開いた。

 写真展では1949年から昨年までの行事で撮影された神事花を紹介。色とりどりの折り花で飾られ、芯には戦国武将や七福神、スポーツ選手など世相を反映する人形が備え付けられている。

 県内外の写真愛好家による作品、神事で使われるわらじ、法被も展示している。山下会長(43)は「写真を見て昔を振り返ってほしい」と話した。(佐野卓矢)