インドネシアから成田空港に到着した清水建設社員ら=14日午後
インドネシアから成田空港に到着した清水建設社員ら=14日午後

 【ジャカルタ共同】インド由来の新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の感染が拡大しているインドネシアから、大手ゼネコン清水建設の社員や家族ら52人を乗せた全日空の特別便が14日午後、成田空港に到着した。インドネシア政府は14日、1日当たりの新規感染者が過去最多の5万4517人に上り、初めて5万人を超えたと発表した。

 12日に感染者は4万人を超えたばかりで、世界最悪水準での感染増加が続いている。14日の死者は991人だった。在インドネシア日本大使館によると、14日までに少なくとも330人の邦人の感染が確認され、うち14人が死亡。直近では30代の男性駐在員の死亡が確認された。

 特別便は清水建設がインドネシアの医療機関の病床や医療用酸素不足などを考慮し、現地で働く社員らの安全確保のため自前で手配した。同社は希望者に日本でワクチン接種を行う方針。残った社員らも順次、一時帰国させる。

 日本政府は特別便での帰国者に関し、入国後10日間の待機先となる宿泊施設を自社で予約することを認めるなどの便宜を図り、帰国を側面支援した。