大田市がニホンザルの捕獲対策を強化する。島根県内でのサルの群れ数や個体数は、同市を含む県央部が6割を占める。狩猟免許の取得を勧め、設置が比較的簡単な「くくりわな」を利用し、被害低減を図る。
県の2021年度調査によると、県内でのニホンザルの生息状況は、07年度に比べ、群れの数が1・3倍の63、個体数が1・4倍の2410匹に増えた。このうち県央部は、37の群れが確認され、個体数は1500匹と推定されている。
大田市では里山の荒廃を背景に、サルの群れが集落の道路を日常的に横断している。23年度の農作物被害約50万円と多くはないものの、報告に上がらない被害があるとみられる。
捕獲法は銃や箱わながあるが、今回は即効性が見込めるくくりわなの利用を促す。狩猟免許の取得に必要な講習会や試験、登録料など計約3万円の費用を全額助成し、わなの購入費も補助する。23年度に55匹だった捕獲数を24年度は4倍以上の250匹に引き上げたい考えで、関連予算案220万円を9月定例市議会に提出する。
市農林水産課の森山久利課長は「サルの被害は顕著で、取り組みやすいくくりわなの設置を促し、捕獲数を増やしたい」と話した。(勝部浩文)