広島県境に位置する島根県邑南町久喜地区。山あいの水田には、まるで鋭利な刃物で切られたかのような稲が風になびいていた。泥の上には複数の小さな足跡。切断されて背丈が異なる稲が交じった水田はまだら模様が浮き上がる。

 「ここは半分も収穫できんだろう」。地元農家の岸忠良さんがニホンジカにかじられた...