短歌 宮里勝子選
手術後の眼に鮮やかにとび込みし光る君への衣装まぶしく 隠岐の島 高橋 恭子
【評】術後の不安を払拭された。現在放映中の「光る君へ」の大河ドラマに登場する平安時代の中宮や貴族の娘たちのきらびやかな衣装が鮮やかに目に映り、安堵(あんど)と喜びの瞬間を捉えられた。
あをきゆゑごがつの空はなほさみし母の遺骨を抱きて歩めり 邑 南 大森 康志
【評】五月の晴れ渡った空の青さも時によっては辛(つら)くこころにしみる。生前中の思い出や感謝を思い浮かべながら歩みつつ、現実を受け止めざるを得ない悲しみが伝わり、心を詠んでいる。遺...