JR温泉津駅(大田市温泉津町小浜)に10月から豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)」が立ち寄るのを前に、JR西日本が9日、試行運転した。同駅で下車した関係者30人が、旅程に組み込む世界遺産・石見銀山遺跡の中心地である同市大森町を巡り、観光内容やスケジュールを確認して本番に備えた。
温泉津駅への立ち寄りは5コースのうち下関駅(山口県下関市)を出発し京都駅(京都市)まで1泊2日で旅する山陰上りコースの1日目に組み込まれた。10月7日に運行を始め、来年6月まで計13回運行し、その後も継続する。
試行は実際と同じダイヤで実施。午後2時26分、住民や商工関係者70人が横断幕を掲げ、ホームに入った瑞風を迎えた。地元住民が民踊も披露した。
乗客役のJR社員らは駅到着後、専用バスで石見銀山遺跡の玄関口に当たる大森代官所前駐車場に移動。1時間40分の滞在時間中、遺跡内を散策した。その後、温泉津駅に戻って午後5時26分に出発した。
瑞風を受け入れるため、市内の官民関係者がおもてなし連絡会を組織して準備を進めていた。大森支部長で石見銀山群言堂グループの松場忠社長は「瑞風での来訪をきっかけに、大田市や大森町との長い関係が紡がれるといい」と期待した。
JR大田市駅の佐藤篤司駅長は「この地域の素晴らしい文化や景観を、瑞風を通じて全国に情報を発信したい」と話した。
山陰の上りコースは現在は出雲エリア(出雲市)が立ち寄り観光地だが、今後は外れる。料金は1泊2日で1人約34万円から。(勝部浩文)