人生で最初に好きになった大相撲の横綱は、北の湖でした。

 ほぼ同時期に活躍していた横綱である千代の富士は、颯爽(さっそう)としたスポーツマンタイプ。対して、「憎たらしいほど強い」と言われていた北の湖は、ふてぶてしい存在感を放っていました。

 しかし私は、だからこそ北の湖のことが好きだったのです。皆に好かれる千代の富士よりも、憎まれながらも強くあり続...