生徒の質問に答える浦野健教授=出雲市塩冶有原町2丁目、出雲市民会館
生徒の質問に答える浦野健教授=出雲市塩冶有原町2丁目、出雲市民会館

 出雲高校の生徒がこのほど、新型コロナウイルスの研究の最前線を専門家から学び、理系の学問への理解を深めた。

 理系の人材を育てる文部科学省の事業「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」の一環。1、2年生約600人が参加し、島根大医学部の浦野健教授(62)=病態生化学=が講師を務めた。

 浦野教授は、新型コロナウイルスに対する抗体の開発に成功したことを紹介。今はデルタ株への効果や、抗体を使ったワクチンの研究に着手したと説明し「タンパク質を使ったワクチンは室温で管理でき、高い免疫性を持つ利点が期待される」と述べた。

 また「20代の感染者が圧倒的に多いが、10代の割合も7・5%ある。療養後、半年経過しても嗅覚障害などが続く人もおり、感染しないよう気を付けてほしい」と注意を促した。

 2年の神門望月さん(16)は「簡単に保管でき、持ち運べるワクチンの研究が、島根で進んでいることに驚いた。理系や医療系の進路に興味が湧いた」と話した。 (三原教史)