北陸新幹線が乗り入れた福井県でにぎわう特別史跡がある。「眠りからさめた戦国の城下町」と称される福井市の一乗谷朝倉氏遺跡だ。室町時代、朝倉氏の本拠地として織田信長に滅ぼされるまで5代約100年にわたり栄えた。
信長に焼かれた後、タイムカプセルに入ったように遺構は残り、1967年から発掘調査が始まる。最後の当主・朝倉義景の館、庭園、武家屋敷、町屋、寺院…。家の配置や井戸の位置が分かり町並みの一部は復元された。約170万点の出土品からは約450年前の人々の生活が湧き立つように現れる。
朝倉氏は南北朝時代、現在の福井県東部、越前の守護となった斯波氏の家臣として越前...