島根県と松江市は20日、計17人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。居住地は松江市7人、安来市6人、雲南市4人。一日で2桁の感染者確認は2カ月ぶり。鳥取県も同日、米子保健所管内の13人の感染を発表しており、中海圏域で感染が拡大した。
島根県の丸山達也知事は同日の対策本部会議で「より慎重な対応が必要だ」として県民に、鳥取県民との飲食を控え、同県西部への不要不急の往来も慎重に判断するよう呼び掛けた。
飲食自粛は、鳥取県が米子市の繁華街の飲食店に営業時間短縮を求めたのを踏まえた。要請期間は21日から8月3日まで。往来はやむを得ない仕事や転勤、看病・介護などを除き8月22日まで控えるよう求めた。
島根県側の感染者17人のうち松江市の5人は同じ職場。不特定多数への接客機会はなく、クラスター(感染者集団)と認定していない。安来市の4人はクラスターが発生した市内の飲食店利用者の接触者。県内の累計感染者数は608人。
一方、鳥取県側の感染者13人のうち1人について、米子市教育委員会は、市立福米中学校(米子市新開5丁目)の関係者だと明らかにした。県内の累計感染者数は598人。
政府の分科会が示す指標について県西部は19日時点で病床使用率が51・8%、人口10万人当たり療養者数が35・0人などとステージ4(爆発的感染拡大)の水準を上回る。県は病床確保のため県西部に宿泊療養施設(40室)を開設。基礎疾患がなく、重症化の恐れがない感染者が入所する。
(取材班)