陶器などで、物語の一場面を表現する民俗芸術・平田一式飾り(出雲市無形民俗文化財)の出来栄えを競う平田天満宮奉納平田一式飾り競技大会が20日、出雲市平田町の中心部で始まった。特選に選ばれた寺町の「オロチ退治(コロナ退治)」(陶器一式)をはじめ、各町内と団体による7作品が、飾り宿とよばれる店舗一角に展示され、市民が伝統の技に見入っている。22日まで。
競技大会は、平田天満宮の夏祭りに合わせて平田一式飾り保存会(大島治会長)が主催。各町内や団体が競って一式飾りを作り、21日には飾り宿で御神幸を迎え、無病息災を祈る。
寺町の作品は、出雲神話のヤマタノオロチ神話の一場面で、スサノオがヤマタノオロチを退治するシーンを表現した力作。準特選には元町の「竈門(かまど)炭次郎(たんじろう)コロナウイルス死滅へ全集中!」(陶器一式)、ひらた蓬(よもぎ)の会による「アラジン(ディズニーミュージカルより)」(ガラス一式)、市場の「てっぺん目指せ」(陶器一式)の3作品、アイデア賞には南本町の「禰豆子(ねずこ)」(陶器一式)が選ばれた。
平田一式飾りは、江戸時代後期の1793年、表具師の桔梗(ききょう)屋十兵衛が茶道具一式で「大黒天」を作り、平田天満宮に奉納したのが始まりとされる。昨年は新型コロナウイルスの影響で競技大会が中止された。
(松本稔史)












