平田本陣記念館(出雲市平田町)で、いずれも大正から昭和にかけて活躍した日本画家、落合朗風(1896~1937年)と、小村大雲(1883~1938年)の企画展が開かれている。平田にゆかりのある2人の作品に来館者が見入っている。10日まで。
父が出雲市平田町出身の朗風は美術団体「明朗美術連盟」を創設し、新しい日本画を模索。同町出身の大雲は文部省美術展覧会などで活躍した。2人は交流があり、若い頃に並んで撮影した写真も展示している。
2人のびょうぶ絵や掛け軸など40点を並べた。朗風は油彩画の技法や視点を日本画に取り入れ、赤い布の上に干し柿やリンゴを載せた「静物」は俯瞰(ふかん)した構図の中に果物を真横から描き、洋画を思わせる。大雲は写実性を追求しながら武者や動物を描いた。
友人と訪れた松江市上乃木4丁目、介護福祉士藤原千春さん(37)は「色使いが美しい。地元ゆかりの作家で名前は知っていたが、より身近に感じることができた」と話した。
午前9時~午後5時。火曜休館。入場料は一般800円、高校生以下無料。(佐藤一司)