マーチングの基礎練習に取り組む松江商業高校の吹奏楽部員=松江市玉湯町湯町、玉湯体育館
マーチングの基礎練習に取り組む松江商業高校の吹奏楽部員=松江市玉湯町湯町、玉湯体育館

 17日に大阪市の大阪城ホールで開かれる全日本マーチングコンテストの高校以上の部に、島根県から松江商、出雲北陵、出雲商が出場する。6分の演奏時間内で音楽性や一体的で整然とした動きが審査され、3校は大舞台で最良のパフォーマンスを見せようと最終調整に余念がない。

 3校は10月にあった中国大会を突破。4枠の全国大会出場権のうち、3枠を島根勢で占めた。

 3大会連続3回目の出場となる、松江商業高校(松江市浜乃木8丁目)の吹奏楽部は、マーチングでは小規模の43人で編成。規模を生かしたきめ細やかさとまとまりの良さで、初の金賞受賞を目指す。

 演奏するのは天野正道作曲「GR」。ロボットアニメの劇中曲で、情感あふれるメロディーや勇ましい行進を思わせる場面など劇的展開で楽しませる。サックス四重奏のハーモニーの後に続くクライマックスでは、視覚的にも壮大な世界観を表現する。

 マーチングは5メートル間隔を8歩で歩く決まりで、部員たちは1歩62・5センチの歩幅を体で覚え、前後左右と斜めにいる他の奏者との間隔や楽器を構える向きなど、演奏以外にも気を配る。

 練習では部員が演奏と動きの観察の二手に分かれ、手製の棒で演奏者の立ち位置や周りとの間隔を測って正確さを確認。撮影動画を見返し、改善する。これに対して顧問の大久保修教諭(57)はあえて動きを見ずに背を向け、演奏のみを指導する。

 重量12・5キロのスーザフォンや、太鼓が四つ並ぶ8・2キロのクォードなど、重い楽器を持っても機敏で繊細な動きが重要で、体力トレーニングも重ねてきた。

 クラリネット担当の城ことせ部長(17)は「楽器を口だけで鳴らすのではなく『遠くに飛ばす』ことを意識し、気持ちを一つに細部もそろえる」と、本番に備える。

     (増田枝里子)