合奏で響きに磨きをかける出雲第一中学校吹奏楽部=出雲市大津町
合奏で響きに磨きをかける出雲第一中学校吹奏楽部=出雲市大津町

 10月19日に宇都宮市で開かれる第72回全日本吹奏楽コンクール中学生の部に、いずれも出雲市内の出雲一と大社が出場する。中国大会で全国出場3枠のうち2枠を両校が獲得。出雲一は10大会連続51度目、大社は3年連続8度目の出場権を得た。コンクールの演奏時間は2曲で12分以内で、音の響きと集中力にさらなる磨きをかける。(増田枝里子)

♪ 出雲一中吹奏楽部の合奏の様子


♪ 大社中吹奏楽部の合奏の様子

 コンクールは課題曲と自由曲の2曲で審査され、課題曲は両校とも、酒井格作曲の「メルヘン」を演奏。テーマパークをイメージさせる華やかな旋律と、目まぐるしく変わるテンポ、拍子が聴衆を引き付ける。出雲一は、色彩感のあるハーモニーを生み出せるよう音づくりを重視し、大社は「歌を歌うように」をイメージして、楽しさを前面に出した仕上がりを目指す。

合奏で響きに磨きをかける出雲第一中学校吹奏楽部=出雲市大津町

 自由曲は両校とも樽屋雅徳作品を選択した。出雲一は「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」で、部員にとってもなじみ深い出雲神話のヤマタノオロチ退治に着想を得た楽曲。出雲平野や斐伊川の流れを思わせる雄大で情緒的なメロディーが聴きどころ。拍子木を打ち合わせる「附(つ)け打ち」や締太鼓、神楽鈴などが和の雰囲気を演出する。木管は弦楽器の音色や滑らかさをイメージしてメロディーを磨き上げ、美しく奏でることを追求する。

 チューバ担当の北川澪穏(れおん)部長(15)は「常に今より良くしていくことを意識し、金賞受賞を目指す」と力を込める。

本番に向け練習に熱がこもる大社中学校吹奏楽部=出雲市大社町杵築南

 大社は「マードックからの最後の手紙」を演奏する。豪華客船・タイタニック号の沈没時、勇敢に乗客の救出に当たった航海士のマードックが、家族に宛てた手紙から着想を得た曲。クラリネット、サックス、ホルンの響きを重ねたメロディーが美しい大西洋を思わせ、ベルの音を合図に緊迫した沈没シーンに移る。迫力あるユニゾンで劇的に展開。基礎練習の徹底で個々のレベルを上げ、響きを良質にする練習を積む。

 クラリネットを演奏する吉田祐陽部長(15)は「全員で心を一つに楽しんで演奏したい」と話した。

 山陰勢は両校に加え、高校の部で出雲北陵、職場・一般の部で出雲吹奏楽団が全国大会に出場する。

 …………………………

 ◆出雲一中・全国大会出場報告演奏会=27日午後6時、出雲市民会館(出雲市塩冶有原町2丁目)。

 ◆大社中学校吹奏楽部サンクスコンサート=11月4日午後2時、大社文化プレイスうらら館(出雲市大社町杵築南)。