10月に名古屋市で開かれた第71回全日本吹奏楽コンクールに中国支部代表として出雲市の出雲一、大社、出雲三の中学校3校と出雲北陵高校が出場した。3中学校は同支部の代表枠を独占し「音楽のまち・出雲」を印象付けた。音楽関係者らは出雲の伝統的な強さの秘訣(ひけつ)について、卒業生らが子どもたちをサポートする「タテのつながり」と、各校が連携しながら切磋琢磨(せっさたくま)する「ヨコのつながり」があると口をそろえる。(出雲総局報道部・佐野翔一)
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出雲の強さを象徴するのが全国大会50回出場、金賞22回獲得と、いずれも全国最多を誇る出雲一中。指導する坂根伸哉教諭はトップレベル維持には「先輩が学んだことを後輩へ脈々と伝えることが大切」と語る。
会員数1300人の「出雲一中吹奏楽部OB会」と現役部員との絆は強い。会員が毎月1回以上は練習に訪れ、高音や低音の出し方などを自らが演奏して伝える。毎年5月には合同演奏会を開催。今年の全国大会出場時に部長だった高井寧音さん(15)=3年=は会員との関わりで「自分の出す音が変わり、...