島根県吉賀町が4月、町内での太陽光発電事業に住民への同意を取り付けるよう求める条例を施行した。発端は町内で太陽光パネルを設置する業者と住民のトラブルだった。同様の事例は全国各地で起きている。太陽光発電施設設置の影で何が起きているのか、再生可能エネルギー発電施設との共生の道はあるのか、現場を追った。
(益田総局報道部・藤本ちあき)

2022年12月、吉賀町沢田の山本謙二さん(70)方を、菓子折りを持った業者が訪ねてきた。すぐ近くの土地(約1750平方メートル)に太陽光パネルを設置すると伝えられた。
「寝耳に水だった」
いつの間にか、県外に住む所有者が土地を業者に売っていた。業者は地区内の各...