島根県川本町の和太鼓グループ「江川太鼓同好会」(森脇淳宏会長)の結成50周年記念公演が23日、同町川本の悠邑ふるさと会館であった。勇壮で軽快な太鼓の響きで来場者約500人を魅了し、町を代表する伝統芸能継承の決意を新たにした。
江川太鼓同好会は1972(昭和47)年の「47水害」で被災した町を元気づけようと町民有志で結成した。国内をはじめドイツ、イギリス、フランスなど海外でも多数公演した。
公演には小学2年生から80代までのメンバー22人が出演。20年あまり交流を続けるデンマークの和太鼓グループ「生動太鼓」の創作曲「生動」や、体を弾ませながら軽快なリズムでたたく「祭」など10曲を鮮やかなばちさばきで披露した。
江の川の穏やかさと激しさをさまざまなリズムの全10曲の組曲で表現した代表曲「中国太郎」では、地元の川本神楽団による石見神楽の鬼が登場し、会場は盛り上がった。川本中学校吹奏楽部によるゲスト演奏もあった。
森脇会長(76)は「大水害に遭い、復興した町の歴史とともに心に響く江川太鼓を守り、伝えていきたい」と話した。(佐伯学)