鳥取県内有数の富有柿の産地・南部町で23日、「全国柿の種吹きとばし大会」があった。コロナ禍による中止を経て町制20周年記念事業として2019年以来、5年ぶりに復活。約250人が口から「ぷっ」と勢いよく種を飛ばし、飛距離を競った。
ハワイ旅行などの賞品がある旧会見町時代からの名物イベントで、32回目。町内でも柿の収量がカメムシ被害で落ちる中、町や商工会、観光協会などでつくる実行委員会がJAとも連携して開催にこぎ着けた。
同町天萬の町農業者トレーニングセンターであった大会の開会式で、陶山清孝町長が「勝負は『柿の運』。種が丸ければ転がって記録が出る」とアドバイス。参加者はカットされた甘い柿を食べ、取り出した種を再び口に入れると、足を踏ん張り、上体を反らして思い切り飛ばした。
男性、女性、ジュニア(小中学生)の3部門で競い、優勝記録はそれぞれ12・63メートル、9・75メートル、8・89メートル。初めて設けられたジュニアの部を制した米子市錦町3丁目の中学1年谷口泰尊さん(12)は「緊張も吹き飛ばし、全力でやった」と胸を張った。(吉川真人)