【ニューヨーク共同】米航空機大手ボーイングが28日発表した2021年4~6月期決算は、純損益が5億6700万ドル(約624億円)の黒字に転換した。黒字は7四半期ぶり。新型コロナウイルスワクチンの接種進展で米国内を中心に旅客需要が回復し、引き続き赤字を見込んだ市場予想を覆した。前年同期は23億9500万ドルの赤字だった。
売上高は44%増の169億9800万ドル。4~6月期の民間機納入数は前年同期の約4倍に当たる79機に増えた。主力機「737MAX」は一時、電気系統に不具合が生じたほか、中型機「787」も品質問題を抱えている。経営再建の道はなお不安定だ。
ボーイングは737MAXの生産を現在の月約16機から22年初めに31機に増やす方針を表明した。一方、787は改修作業を理由に一時的に生産を月5機未満に減らすため、年内の納入ペースが減速するとしている。
ボーイングの経営不振は737MAXの墜落事故に端を発し、コロナ禍が追い打ちをかけていた。部品メーカーの業績も長期にわたり影響を受けている。特に787は三菱重工業が複合材主翼と呼ばれる主要構造部を担うなど、日本のメーカーの関わりが深い。











