安全碑に花束を手向ける佐伯祥一本部長(右)と金岡裕之山陰支社長=鳥取県日野町根雨
安全碑に花束を手向ける佐伯祥一本部長(右)と金岡裕之山陰支社長=鳥取県日野町根雨

 鳥取県江府町武庫のJR伯備線で保線作業中の社員が特急やくもにはねられ、3人が死亡した事故から19年を迎えた24日、事故現場に近い同県日野町根雨の根雨保線管理室の敷地内で追悼献花式があった。JR西日本中国統括本部の社員6560人のうち、約6割が事故後の入社で教訓の継承が課題となる中、関係者12人が安全碑に献花して再発防止を誓った。

 碑には「事故の反省と教訓を深く心に刻み、全社員一丸となって更(さら)なる安全性の向上に継続して取り組む」と記されている。献花式では全員で黙とうをささげ、同本部の佐伯祥一本部長や金岡裕之山陰支社長らが花束を供えた。

 同本部は保線作業の安全性を都度チェックし、2022年以降は全社員を対象に年1度、事故の経緯や教訓を伝える研修を行っているという。金岡支社長は「安全性の向上に終わりはない。事故の反省と教訓を引き継ぎ、安全安心に全力で取り組む」と話した。

 事故は06年1月24日午後1時20分ごろ発生。線路内で作業中の社員4人が岡山発出雲市行き特急やくも9号にはねられ死傷した。(中村和磨)