新型コロナウイルス禍で高まった高校生の地元就職志向を取り込もうと、島根県内企業が積極採用に動きだした。独自のイベントや会員制交流サイト(SNS)の活用など、手探りながら「待ち」から「攻め」へと転じる。地元志向の流れを一過性で終わらせてはいけない。

 7月31日、益田市虫追町の石見臨空ファクトリーパークにある工場はにぎやかな雰囲気に包まれた。

 オープンキャンパスならぬ「オープンカンパニー」と銘打ち、半導体部品製造のシマネ益田電子が初めて開催したイベントに、高校1~3年の31人が参加。製造ラインの見学やプログラミングを体験してもらう企画に加え、駐車場にはキッチンカーも登場した。

 会社説明会よりも自由に、楽しく自社の魅力を感じてもらいたいと企画した背景には、危機感がある。2020年卒、21年卒と2年続けて...