那須正幹の長編児童文学「ぼくらは海へ」(1980年)は、小学6年生たちの夏の物語だ。彼らは、受験や家庭崩壊に直面している自分たちの心の中の何かを投げ込むように船づくりに熱中する。やがて、2人が、その小さないかだで海へ出てしまう。...