ユリ科の希少植物、イズモコバイモが島根県川本町の群生地で咲き始め、釣り鐘状の小さく愛らしい花が、訪れた人の目を引きつけている。寒波の影響で開花のペースは例年に比べて半月程度遅く、4月上旬まで楽しめそう。
イズモコバイモは島根県固有種で、環境省が絶滅危惧種に指定する。15~20センチの茎の先に、2、3センチの小さな花が咲く姿から「春の妖精」と呼ばれる。
川本町谷戸地区で県道187号沿いの斜面約900平方メートルに約3千株が群生する。2005年、町の天然記念物に指定された。住民団体の「みんなで守る谷戸の自然」と「川本町自然大好きネットワーク」が保全活動を続け、開花シーズンには現地の案内をしている。
今年は12日に初めて開花が確認された。ネットワークの瀬尻亨代表(82)は「毎年、県内外から多くのファンが訪れる。かれんな花を見て心を和ませてほしい」と話した。(佐伯学)






  






