
―2024年に創立100周年を迎えました。
1924年5月に木次信用組合として発足した当庫は、地元の皆さまのご支援があって大きな節目を迎えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。2024年は、松江市内で当庫と取引がある事業者が参加するマルシェの開催や、地域の足として長年にわたり活躍する一畑電車での記念電車運行、社会福祉協議会への寄付などに取り組みました。今後も地元の発展に貢献する金融機関として尽力していきます。
―中小企業の課題解決に向けた取り組みを聞かせてください。
新型コロナウイルス禍が収束した後も、原材料・人件費や金利の上昇、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済で厳しい経営を強いられる事業者が多い状況にあります。当庫は資金繰り支援はもちろんのこと、経営課題に対しての丁寧な聞き取りを行い、ブランド力向上につながるコンサルティング体制を強化して、事業者の発展を後押ししていきます。

―事業継承や販路拡大に向けた取り組みはいかがですか。
地元の事業者では後継者がいなかったり、人口減少による市場縮小で廃業が増えつつあったり、問題は年々深刻化していると感じています。当庫では対象事業者の円滑な事業承継や経営改善、技術承継などの相談を25年度にかけて重点的に行っていきます。中小企業の販路拡大を支援する「よい仕事おこしネットワーク」では島根県内の市町村と順次提携を結ぶ予定で、全国のバイヤーに山陰の産品を紹介する機会を増やしていきます。
―地域貢献への取り組みを聞かせてください。
子どもたちの健やかな成長を支援するため、女子バスケットボール日本代表の高田真希選手を招いたマルシェの開催や、ひとり親世帯への米の提供を行いました。少子化が加速する中、将来を担う若者たちが山陰に愛着を持ち、「地元を元気にしたい」と思ってもらえる環境をつくりたいと考えています。

信用金庫を取り巻く環境は日々大きく変化しています。このような中で、一人ひとりが課題解決に向け主体性を持って取り組む力が最も重要になると考えています。社会に貢献するために自らが何ができるのかを考え、何事にも前向きにチャレンジしていける方と共に働きたいと思います。
藤原俊樹=雲南市三刀屋町出身(67歳) 2020年から現職
趣味は2013年から始めたそば作りです。現在はそば作り同好会の代表を務め、5人の仲間と一緒に自宅近くにある2反(20アール)のそば畑で信濃1号という品種のそばを栽培しています。自ら栽培したそばで蕎麦を打つことが休日の楽しみです。
