松江市内でタクシー事業者による「日本版ライドシェア」の実証実験が始まって1カ月が過ぎた。タクシーの需要が増す平日午前のみの運行という中国5県初の取り組みは、移動手段を持たない住民の足の確保につながっている。ただ、ドライバーの確保や安全性の担保には課題も見える。運転手不足が叫ばれる中、移動手段の「救世主」になりうるのか。現場を追った。
3月中旬の午前9時過ぎ、松江一畑交通(松江市上東川津町)の事務所では何本もの配車予約の電話が鳴り響いた。「タクシーはいっぱいですが、ライドシェアなら午前10時に病院へ間に合います」。通院のため西川津町の自宅まで迎えに来てほしいと問い合わせた客にオペレーターの男性が案内した。

同社はライドシェアとタク...