―2024年にシロイルカの赤ちゃん2頭が生まれました。
「ワンチーム ワンハート」を合言葉にシロイルカのほかペンギンや魚類などの飼育員も一体となり、出産時のマニュアルを作りました。赤ちゃんの授乳が円滑にできるよう母イルカの乳首に棒を当てながら泳がせるトレーニングを導入し、産後に命を落とした母アーリャの子イルカには人工哺乳を行いました。あらゆる事態に備えた対応を図る中で、2頭は順調に成長しています。

―21年11月から、シロイルカの餌を準備する調餌(ちょうじ)業務を障がい者就労支援施設に委託しています。
現在は県内4事業所の就労者が、ニシンやホッケが入った冷凍袋を手作業で取り出してばらし、水で解凍する業務をしています。自分たちが準備した餌を飼育員がシロイルカに与える様子の見学や触れ合うふれあう機会もあることが魅力です。就労者は達成感や自己肯定感が高まり、飼育員も別の飼育業務に集中できています。


―地元の学校と連携した活動も盛んですね。
島根職業能力開発短期大学校(江津市)には、水中ドローンを使い県内の特別支援学校の児童生徒がペンギンのリアルタイム映像を遠隔で見られる実証に協力していただきました。来館が難しい子どもたちに充実した体験をしてほしいです。浜田水産高校の生徒は来館者のガイドツアーに挑戦し、江津工業高校はアクアスの会場で文化祭を開いたりしました。われわれも若者ならではのアイデアが刺激になっています。

―4月で開館25周年です。今後につながる振興策はありますか。
近年の来館者数は約35万人で、新型コロナウイルス禍前の水準に戻りつつあります。ただゴールデンウイーク後の6月や夏休み後の9月以降の閑散期対策が課題です。現在学校の遠足で利用してもらおうと専門のエージェントに働きかけています。実際24年10月には関東圏から小学生約40人が訪れてくれました。この先も県内事業所と連携を深め、多くの方に知ってもらえる「地域振興拠点」でありたいです。

アクアスでは、将来を担って頂ける経営課職員(正規)の採用(2026年度)を計画しています。 私は、館長に就任以来、当館の強みを生かしながら、地域課題解決への力になりたいとの思いから、地域と連携した様々な取組を進めています。島根を愛する人、島根で生活し、地域を盛り上げたいと願う人・・・、アクアスで働き、共に地域活性化への道を歩んでみませんか。

島根県江津市出身(63歳)益田市在住。2021年7月に現職に就任 趣味は、ロードバイクとウオーキング。日々体力の衰えとの戦いですが、少しでも維持するために筋力トレーニングは毎日欠かさず継続しています。また、妻と一緒に萩・石見空港周辺のウオーキングや、時間を見つけて(一人で)清流高津川沿いや萩・石見空港周辺、持石海岸沿いをサイクリングしています。