(届け出順に右から)第一声を挙げる中澄政彦氏、上定昭仁氏、村穂江利子氏
(届け出順に右から)第一声を挙げる中澄政彦氏、上定昭仁氏、村穂江利子氏

 任期満了に伴う松江市長選が13日、告示された。届け出順に、無所属新人で会社役員の中澄政彦氏(37)、無所属現職の上定昭仁氏(52)=自民、国民、公明推薦、1期=と、新人で共産党島根県委員会副委員長の村穂江利子氏(56)の3人が立候補した。20日の投開票に向け、2021年の前回選に続く三つどもえの戦いが始まった。

 現職の市政運営の評価のほか、JR松江駅前の再開発、松江城周辺の高層マンションの建設を巡る景観問題などが主な争点になる。

 中澄候補は午前10時45分から、同市学園南1丁目の市北公園内で第一声を上げた。県外の都会地から市に移り住み、子育てやレストラン経営に取り組んだ17年間を踏まえ「松江の強みを生かし、課題を解決すればこのまちはもっと良くなる」と強調した。

 上定候補は午前9時20分から、同市殿町の県庁前で約200人を前に第一声に臨んだ。1期4年の実績としてコロナ禍などへの対応のほか、子育て環境の充実による30代人口の社会増を挙げ「生まれ育ったことに誇りを感じ、夢を実現できるまちをつくる」と訴えた。

 村穂候補は午前9時半から、同市袖師町の党県委員会前で約50人を前に第一声。介護保険・国民保険料の引き下げなどを掲げ「市民に優しい政治へ転換する」と主張し、高層マンションの建設反対、中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の停止を訴えた。

 12日現在の選挙人名簿登録者数は16万2427人(男7万7271人、女8万5156人)。

(藤井俊行)

■立候補者の略歴(上から届け出順)

中澄 政彦(なかすみ・まさひこ、37歳、無新)
 会社役員。2008年に松江市に移住し、ダイニングバーの店員やとび職などを経て、17年から同市内でレストランを経営。大阪府豊中市出身。東出雲町春日。大阪府立渋谷高卒。

上定 昭仁(うえさだ・あきひと、52歳、無現)
 元日本政策投資銀行松江事務所長。1995年に入行し、松江事務所長、米州法人CEO(最高経営責任者)などを歴任。2021年の市長選で初当選した。東出雲町揖屋。九州大法学部卒。当選1回。

村穂 江利子(むらほ・えりこ、56歳、共新)
 党島根県委員会副委員長。高校教諭や学習塾経営、ボランティア団体事務局員などを経て、2024年2月から現職。24年10月の衆院選島根1区に立候補した。国屋町。島根大法文学部卒。