菅義偉首相は9日、長崎市で記者会見し、新型コロナウイルスの感染急拡大に関し「今週からお盆だ。変異株でかつてない感染拡大が続いており、極めて大事な時期だと思っている」と行動自粛を呼び掛けた。ワクチンの国内総接種回数が「1億回を超えた」と明かし、接種を促進する姿勢を強調。8日閉幕した東京五輪については「開催国としての責任を果たせた」と総括した。

 感染対策として、若年層を中心に「不要不急の外出を控え、帰省、旅行も極力避けてほしい」と求めた。若者から家庭への感染経路が懸念されていると指摘。東京都の新規感染者は30代以下が7割程度を占めているとして、ユーチューブやツイッターなどソーシャルメディアで若年層向けの発信を強化するとした。

 緊急事態宣言発令中の東京から広島、長崎に赴き原爆式典に出席した理由について「長崎と広島で起きた惨禍を二度と起こしてはならないとの強い思いで訪問した」と説明した。

 五輪閉幕では「開催が1年延期され、さまざまな制約の下での大会となったが、無事終えることができた。国民の理解、協力に心から感謝したい」と謝意を表した。競技を振り返り「選手の皆さんが大活躍し、素晴らしい大会になった。スポーツから感動をもらった。ありがとうと申し上げたい」とも述べた。