島根県内でゲストハウスや一棟貸しなどの簡易宿所が増加している。現在約500軒あり、5年前から5割超増え、ホテルや旅館を合わせた全宿泊施設の約6割を占める。ホテルなどと比べて客室数が少なく、人手の確保や施設管理の負担を軽減できるのが利点。各施設が独自性を出しながら、国内外の観光客らを誘致する。 

 松江市末次本町には昨年12月、築100年の蔵を改装した一棟貸しの宿泊施設「宿の蔵 Hug(ハグ)」が開業した。

 木造2階建て、延べ床面積88・6平方メートルの建物に、2人部屋を2室用意。宿泊客はメールで送られてきた入室コードを専用装置に打ち込み、チェックインするようになっており、従業員を配置する必要がない。

 施設内では、設備の利用ルールやマナー、家具の使い方を英語で表記した。経営するなにわ旅館の勝谷有史社長は「インバウンド(訪日客)の利用を取り込みながら、松江の活性化につなげたい」と話す。

 旅館業法に基づく簡易宿所は、宿泊場所を複数人で共用する構造をもった施設で、客室の延べ床面積が33平方メートル以上といった条件がある。県内には25年1月時点で計496軒あり、20年当時の324軒から53%増。松江市が42軒増の96軒、出雲市が39軒増の59軒など県東部を中心に増加する。

 松江市和多見町に1月開業したゲストハウス...