隠岐と本土を結ぶ隠岐汽船(島根県隠岐の島町中町)が2日、一部期間でフェリーと高速船を減便するダイヤ改正を実施すると発表した。船員確保が困難になったことが理由で、運用中のダイヤ変更は異例。フェリーは一部期間で現状の3隻体制から2隻体制となる。

 同社によると、フェリーは、6月17日~7月18日、9月1~30日、11月4日~12月20日の期間は、「おき」「しらしま」の2隻体制にする。他の期間は3隻体制で運航する。

 2隻体制の期間は、七類港(松江市美保関町七類)を出港し、島前3町村(西ノ島、海士、知夫)に寄港した後、西郷港(隠岐の島町)を経て七類港に戻る「くにが」を運休する。

 高速船「レインボージェット」は今年最後の運航日となる11月30日までの間、今月6日までと、8月9~17日の両期間が隠岐と本土を2往復し、他の期間は1往復となる。当初2往復を予定していた7月19日~8月8日は1往復に減便する。

 同社は25年、24年と比べて高速船を約80日間、1往復に減便するダイヤで運航を始めたが、再度減便に踏み切った。

 同社によると、25年ダイヤを策定後、退職者があり、安全運航に必要な人員確保と乗組員の休日取得の措置として減便が必要になったという。

 採用活動に取り組んでいるものの、応募者は少なく、全ての職種で人員不足が続いているという。同社の池田則文常務は「全国的に船員が不足している。安全面で無理をさせることはできない」と説明した。

 (鎌田剛)