謝辞を述べる隅田正三会長(左)。右は酒田結さん=広島市中区、ANAクラウンプラザホテル広島
謝辞を述べる隅田正三会長(左)。右は酒田結さん=広島市中区、ANAクラウンプラザホテル広島

 文化芸術やスポーツで優れた業績を収めた個人・団体を顕彰する「第31回エネルギア賞」の表彰式がこのほど、広島市内であり、山陰両県関係では西中国山地民具を守る会(浜田市金城町、隅田正三会長、会員15人)と、米子市出身でドイツ・フライブルク在住のフルート奏者、酒田結(ゆい)さん(30)が表彰を受けた。

 西中国山地民具を守る会は1968年に結成した。農機具の機械化に伴い地域の伝統的な生活民具が焼却の危機にひんする中、各家庭を訪ねて収集・保存や記録、啓発活動などを展開。国の重要有形民俗文化財指定を受けた民具もある。

 酒田さんは米子東高校、大阪教育大卒後、パリに留学。国内外のコンクールで優秀な成績を収め、現在はドイツのフライブルク・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者を務める。2024年8月には米子市で初のリサイタルを開いた。

 表彰式でエネルギア文化・スポーツ財団(広島市)の苅田知英理事長から記念の盾などを受け取った、守る会の隅田会長(83)は「この賞の重みを感じ、これからも文化財保護に努めたい」と謝辞を述べた。(錦織拓郎)