鳥取県内で新型コロナウイルス感染急拡大のため在宅や宿泊施設での療養が増えていることを踏まえ、県は病院外での療養態勢を強化する。医師による薬の処方や電話診療を始め、急な症状悪化に備え、療養者の不安を取り除く。

 県は感染者を原則全て入院させていたが、7月下旬から県内で感染者が急増したため感染症対策を施した宿泊施設に加え、在宅での療養を始めた。12日午前0時時点で在宅120人、宿泊施設44人となっている。

 従来の宿泊療養では医師によるオンライン診療で、薬については施設に置いてある市販薬で対応していた。今後は医師が薬を処方して個別の症状に対応する。在宅では訪問看護師による症状の聞き取りに加え、医師が電話で直接診療する。医師や訪問看護師による対面診療も検討する。

 12日にオンラインで行われた医療体制協議会で、県の方針に県医師会、県看護協会が合意した。会合後、平井伸治知事は「医師会の協力で在宅でも安心していられる環境づくりができる」と意義を強調した。

      (藤井俊行)