東京五輪陸上男子110メートル障害の表彰式で、金メダルを手に笑顔を見せるジャマイカのハンスル・パーチメント=5日、国立競技場
東京五輪陸上男子110メートル障害の表彰式で、金メダルを手に笑顔を見せるジャマイカのハンスル・パーチメント=5日、国立競技場

 東京五輪の陸上男子110メートル障害で金メダルに輝いたハンスル・パーチメント(ジャマイカ)が、自身のインスタグラムに投稿した動画で、大会の女性ボランティアから〝アシスト〟を受けたことを明かして話題を呼んでいる。母国のメディアでも報道されており、31歳の五輪王者は「日本人は最高に優しい」とつづった。

 動画によると、パーチメントは4日午前に国立競技場で行われた準決勝に向かう際、音楽を聴いていて誤ったバスに乗ってしまい、プールに到着。競技場へ向かおうにも関係者向けの車両は事前予約が必要で使えず、いったん選手村に戻ってバスを乗り換えなければならない状況だった。ただ、そうするとレースへの準備時間に余裕がなくなるため困っていたところ、女性ボランティアがお金を渡してくれ、タクシーに乗ることができたという。

 「おかげで十分なウオーミングアップができた」というパーチメントは、泉谷駿介(順大)と同じ準決勝3組を2着で通過。5日の決勝では13秒04で走り、大本命だったグラント・ホロウェー(米国)を0秒05差で抑えて初の金メダルを獲得した。

 自身の競技を終えたパーチメントは、再びバスに乗って女性ボランティアの元を訪れる様子を撮影。「覚えている?」と声を掛け、「見せたいものがある」とバッグの中から金メダルを取り出して女性に渡した。ジャマイカのシャツをプレゼントし、お金も返却。驚きつつ喜ぶ女性と記念撮影し、感謝の言葉で動画を締めくくっている。