九州各地では14日も大雨が続いた。佐賀県武雄市などを流れる六角川が氾濫し、周辺が浸水した。福岡県久留米市でも市内の一部が冠水。福岡と佐賀、長崎3県の一部自治体は、最も警戒レベルが高い避難情報「緊急安全確保」を出した。長崎県雲仙市で土砂崩れに遭った民家では、県警や陸上自衛隊が安否不明の2人を捜索したが、見つからなかった。

 国土交通省によると、六角川の氾濫は午前6時半ごろ武雄市内で確認された。市街地が水に漬かり、佐賀県は武雄市など3市町を対象に災害救助法の適用を決定。県の要請を受け、自衛隊は被災者救助のために部隊を派遣した。

 六角川流域の順天堂病院(佐賀県大町町)の周辺が冠水し、孤立状態になった。県などによると、床上浸水し患者は2階以上に避難した。病院は2019年8月の大雨でも、近くの鉄工所から流出した油混じりの雨水が入り込んだ。

 佐賀県は嬉野市で家屋や敷地内に土砂が流入した被害を20件確認した。

 一方、雲仙市は、土砂崩れに遭った民家から13日に救出され死亡が確認されたのは住民の森文代さん(59)で、安否不明の2人は夫保啓さん(67)と娘優子さん(32)と発表した。

 久留米市では、降雨量に排水が追い付かず各地で道路が冠水。地元消防によると、未明から「家から避難できない」と救助要請が相次いだ。福岡県は同市の災害救助法適用を決めた。