今年は第2次世界大戦が終結してから80年となる。戦争体験者が激減し、戦禍の記憶が遠のく中、私たちは「戦争」をどう捉え直したらいいのか。戦争責任や戦後責任を問う意義や課題は何か。気鋭の歴史学者と文学研究者が切り込んだ。

 経緯と実態つまびらかに 中央大准教授・宇田川 幸大

 -戦争責任、戦後責任を問う意義を訴えています。

 「開戦責任や被害を生じさせたことを問う戦争責任は、主に戦争体験者が担うものです。戦争や暴力の加害や被害を再び生じさせないようにするのが戦後責任で、全世代が担うものです。これら責任の所在を明らかにする中で、戦争や暴力がなぜ起こるのか、なぜ防げないのかを考えます。...