宇宙空間で戦闘が起きる懸念が強まっている。衛星システム技術が向上する中、米国、中国、ロシアは宇宙空間の支配が軍事優位性確保の鍵を握るとみて軍事能力を増強。日本やフランスも、監視強化のため宇宙専門の部隊を創設した。専門家は宇宙での偶発的な衝突の恐れを警告、映画「スター・ウォーズ」の世界が現実味を帯び始めた。

 宇宙開発で名実ともにトップを走る米国は中国、ロシアの人工衛星破壊能力に危機感を強め、宇宙での戦力向上を急ぐ。一方、中国は2030年までの「宇宙強国」確立を目指してステーション建設などを推進、ロシアも宇宙防衛計画の中核として24年までに「統一宇宙システム」を整備、米に対抗する構えだ。

 「中国は宇宙空間を利用して、世界の経済的、軍事的リーダーである米国に取って代わろうとしている」。宇宙での作戦指揮を担う米宇宙統合軍のディ...