国内外に苛烈な被害をもたらした先の大戦終結から76年となる終戦の日を15日、迎えた。東京都千代田区の日本武道館では政府主催の全国戦没者追悼式が開かれる。天皇、皇后両陛下、菅義偉首相、戦没者遺族らが参列し平和の祈りをつなぐ。昨年に続き新型コロナウイルス禍で、今年は緊急事態宣言下の開催となる。参列者数は抑え、過去最少の約200人になる見込み。
厚生労働省によると、12日までに島根や鳥取を含む22府県の遺族が欠席の意向を示した。来賓も合わせた参列者は例年6千人規模だが、今年は大幅に縮小される。昨年もコロナ流行の影響で542人だった。
菅首相は就任後初めての参列で式辞の内容が注目される。安倍晋三前首相は2012年12月の第2次政権発足後、それまでの内容を変えてアジア諸国への加害と反省に言及せず、反発を招いてきた経緯がある。
日本武道館に近い千鳥ケ淵戦没者墓苑では14日、終戦の日を前に手を合わせる人の姿があった。
15日の追悼式は午前11時50分ごろに始まり、首相の式辞後、正午の時報に合わせて黙とう。天皇陛下のお言葉に続き、遺族代表らが追悼の辞を述べ、参列者が献花する。
感染防止対策として参列者にマスクの着用や手指消毒を要請。座席間隔を確保し、国歌は斉唱せず奏楽のみとなる。
厚労省によると、追悼対象は計約310万人。参列予定の遺族の最高齢は94歳、最年少は16歳。高齢化や式の規模縮小に伴い、戦没者の妻の参加予定が初めて0人となった。父母の参列は11年から途絶えている。