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前線の停滞による大雨で氾濫した江の川は15日午後、水位が徐々に低下した。江津市内の3地区に発令されていた最も警戒度が高いレベル5の「緊急安全確保」は午後4時までに解除された。流域一帯で農地や道路の冠水が相次ぎ、江津、川本、美郷の3市町が被害状況の調査を急ぐ。
上流部の広島県北部を含めて雨が弱まり、市内の各水位観測所でも「氾濫危険水位」を下回ったことから、市が午後3時に川平、川越の2地区、同4時に松川地区の緊急安全確保を解除した。
家屋の床上浸水は、堤防がない「無堤」地区が広がる江津市桜江町川越地区で2棟、川本町因原地区で1棟が確認された。因原地区ではホームセンターやドラッグストアなど事業所6棟が浸水被害に遭った。
自宅が床上60センチまで浸水した桜江町川越地区の坂根虹さん(47)は「2018年と20年に続いて3度目の水害になる。大雨のたびに精神的につらい」と話した。
このほか、江津市内の川平町、渡津町、桜江町川越地区の計4棟で床下浸水の被害が確認された。川沿いの農地ではトマトやキュウリ、コメなどの作物も広範囲で水に漬かった。
道路は冠水や土砂崩れによって15日午後6時現在、江津市内の県道1カ所、川本町の県道2カ所、美郷町の町道2カ所が通行止めとなっている。
県内では他に、雲南市三刀屋町と奥出雲町の各1棟で家屋の床下浸水の被害が確認された。
14日夜の時点で江津、益田、津和野、川本、美郷、奥出雲の6市町が発令していたレベル4の避難指示も全て解除された。
松江、鳥取両地方気象台によると、山陰両県の雨は峠を越えたが、早ければ16日夜から前線の影響でまとまった雨が降る予報となっている。引き続き河川の増水や土砂災害への警戒を呼び掛けている。
16日午後6時から24時間の予想雨量は島根県の東部と西部が100~150ミリ、隠岐が50~100ミリ、鳥取県が50~100ミリとなっている。



















